国税庁が2026年9月に公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」で、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円でした。前年(令和6年分)の478万円から1.9%増で、国税庁は5年連続の増加で過去最高としています。この記事では、487万円がどの範囲の人の平均なのかを中心に、調査結果を整理します。
平均給与は487万円、男女・雇用形態別では
国税庁の報道発表資料によると、平均給与(1年を通じて勤務した給与所得者)は次のとおりです。
- 全体:487万円(前年比1.9%増。増加額は約9万1千円)
- 男性:597万円(前年比1.7%増)
- 女性:342万円(前年比2.6%増)
- 正社員(正職員):559万円(前年比2.6%増)
- 正社員(正職員)以外(パート・アルバイトなど):210万円(前年比1.6%増)
内訳は、平均給料・手当が412万円(前年比2.2%増)、平均賞与が75万円(前年比0.4%増)です。賞与は2年連続の増加で、74.6万円から74.9万円になりました。
487万円は「1年を通じて勤務した人」の平均です
数字を読むときに特に注意したいのは、人数の範囲です。
- 1年を通じて勤務した給与所得者:5,163万人。令和7年の1月から12月まで引き続き勤務し、給与を受けた月数が12か月の人です。487万円は、この人たちの平均です
- 給与所得者(令和7年12月31日現在):6,080万人。1年を通じて勤務した人と、1年未満勤続者(12月31日現在在職している人)の合計です
つまり、487万円は6,080万人全体の平均ではありません。年の途中で入社・退職した人は、この平均に含まれていません。
平均給与は、給料・手当と賞与の年間支給総額(給与所得控除前の収入金額。通勤手当などの非課税分は含みません)を、人数で割ったものです。手取りの額ではありません。 役員も含まれます(正社員・正社員以外の区分には役員を含みません)。
調査の対象と、読むときの注意
国税庁の資料によると、この調査の対象は、令和7年12月31日現在の民間の事業所に勤務する給与所得者で、パート・アルバイトを含みます。所得税の納税の有無は問いません。国家公務員・地方公務員などは対象外です。
調査は標本調査で、抽出した標本の値から全体を推計しています。また、事業所の支払額に着目した集計のため、個人の所得全体を示すものではありません。複数の事業所から給与を受けている人は、事業所ごとに別の給与所得者として集計されます。このうち、主たる給与以外の給与分は、独立した給与所得者とみなされ、「乙欄適用者」と呼ばれます。乙欄適用者を除いた平均給与は496万円(前年比2.0%増)です。
自社の給与水準と比べるときは、次の点をそろえると読み違いを防げます。
- 比べる相手が、1年を通じて勤務した人の平均かどうか
- 手取りではなく、給与所得控除前の年間の収入金額かどうか
- 役員、パート・アルバイトを含む平均かどうか
年齢・勤続年数と、給与階級別の分布
1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢は47.3歳(男性47.5歳、女性47.1歳)、平均勤続年数は12.5年(男性14.1年、女性10.4年)です。
給与階級別にみると、男性では年間給与額が400万円超500万円以下の人が487万人(構成比16.6%)、女性では200万円超300万円以下の人が417万人(同18.7%)で、それぞれ最も多くなっています。
調査結果の概要は、国税庁の調査結果の概要ページで読めます。
統計の数字は、調査の対象の範囲と、平均の出し方を押さえて読むことが大切です。この調査は民間の事業所の給与所得者が対象で、487万円は「1年を通じて勤務した人」の平均です。どの範囲の、何の平均かを確かめる習慣は、統計を扱う問題に取り組むときにも役立ちます。

