厚生労働省は2026年10月8日付の報道発表で、11月が「過労死等防止啓発月間」であり、「過重労働解消キャンペーン」を行うと発表しました。この記事では、キャンペーンの内容と、11月7日(土)に行われる無料の電話相談の電話番号・受付時間を整理します。
啓発月間と、キャンペーンの期間・主な取組
過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)の第5条は、国民の間に広く過労死等を防止することの重要性について自覚を促し、関心と理解を深めるため、過労死等防止啓発月間を設けると定めています。第2項で、月間は11月とされています。
「過労死等」とは、厚生労働省の説明では次のものをいいます。
- 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
- 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
- 死亡には至らないが、これらの脳血管疾患、心臓疾患、精神障害
過重労働解消キャンペーンの実施期間は、厚生労働省の特設ページ(末尾にリンク)によると2026年11月1日(日)から11月30日(月)までの1か月間です。主な取組は次のとおりです。
- 使用者団体や労働組合への、厚生労働大臣名による協力要請。あわせて、傘下の団体・企業などに対し、自社の働き方改革などで取引先の中小事業者に「しわ寄せ」が生じないよう、周知啓発も求めます
- 都道府県労働局長による、長時間労働の削減に積極的な企業への職場訪問と、取組事例の紹介
- 長時間労働が行われていると考えられる事業場への重点監督
- 過重労働相談受付集中期間の設定と、特別労働相談(電話)の実施
- 過重労働解消のためのセミナーの開催
重点監督の対象と、確認される事項
特設ページによると、重点監督の対象は次の事業場などです。
- 長時間の過重な労働による過労死等で労災請求が行われた事業場や、各種情報から時間外・休日労働が1か月あたり80時間を超えていると考えられる事業場など
- 労働基準監督署やハローワークに寄せられた相談などから、離職率が極端に高いなどの問題があると考えられる事業場
重点的に確認される事項は、次の4点です。
- 時間外・休日労働が、36協定(時間外・休日労働に関する協定届)の範囲内か。法違反があれば是正指導
- 賃金不払残業が行われていないか。法違反があれば是正指導
- 労働時間を適正に把握しているか。不適切な管理は指導
- 長時間労働者に、医師による面接指導など、36協定(特別条項)で定めた健康福祉確保措置が確実に講じられているか
監督指導の結果、重大・悪質な法違反が認められた場合は、送検し、公表するとされています。また、1年間に2回以上、同一条項の違反について是正勧告を受けた場合などは、ハローワークが一定期間、求人を受理しないとされています。
11月7日(土)は無料の電話相談も
都道府県労働局と労働基準監督署は、11月1日(日)から7日(土)までを過重労働相談受付集中期間として、過重労働に関する相談や、労働基準関係法令違反が疑われる事業場の情報を受け付けます。ただし、11月1日(日)と3日(火・祝)は除かれています。
電話による特別労働相談は、11月7日(土)です。窓口は2つあり、受付時間と対応する人が違います。
- 過重労働解消相談ダイヤル:0120-794-713(フリーダイヤル)。9:00〜17:00。労働基準監督官が対応します
- 労働条件相談ほっとライン:0120-811-610(フリーダイヤル)。9:00〜21:00。相談員が対応します
シンポジウムとセミナー
啓発の取組として、各都道府県で「過労死等防止対策推進シンポジウム」が開かれます。47都道府県48会場(東京は2会場)で、過労死遺族の方の体験談や、メンタルヘルスの専門家などによる講演が行われます。無料で、どなたでも参加できます。会場ごとの日付は11月2日から30日の間で、参加は事前の申込みが必要です(先着順)。インターネット視聴用の動画配信も行われます。申込みと会場一覧は、シンポジウムのページにあります。
企業向けには、「過重労働解消のためのセミナー」が、会場開催またはオンラインで、秋から冬にかけて開かれます。特別企画として、オンラインの「業務効率化セミナー」もあります。いずれも無料です。申込みはセミナーの専用ページから行えます。
詳しい内容は、厚生労働省の過重労働解消キャンペーンのページで読めます。
重点監督で確認される「時間外・休日労働が36協定の範囲内か」「賃金不払残業がないか」「労働時間を適正に把握しているか」は、時間外・休日労働と割増賃金、労働時間の把握に関わる論点です。ニュースを読むときも、どの条文の話かを結びつけて整理しておくと理解しやすくなります。

