
毎月勤労統計 8月分の確報:速報から変わった数字
厚生労働省は2026年10月23日、「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年8月分結果確報」を公表しました。事業所規模5人以上の現金給与総額(給与・手当・賞与などを、所得税や社会保険料を差し引く前の金額で合計したもの)は311,563円(前年同月比3.9%増)でした。10月7日公表の速報から変わった数字を、人事・労務の担当者向けに整理します。
速報から確報で変わった数字
確報は、速報の集計後に審査を終えた調査票も加えて集計したものです(厚生労働省の利用上の注意)。回収率は速報の67.3%(回答22,241事業所)から、確報では76.8%(回答25,388事業所)になりました。主に変わった数字は次のとおりです(速報→確報、前年同月比)。
- 現金給与総額(規模5人以上):311,364円(3.8%増)→311,563円(3.9%増)
- 現金給与総額(規模30人以上):344,966円(3.7%増)→346,195円(4.1%増)
- 特別に支払われた給与(賞与など):13,006円(前年同月と同水準)→13,246円(1.8%増)
- 一般労働者の現金給与総額:3.7%増→4.0%増
- パートタイム労働者の時間当たり給与(所定内給与):1,472円(4.3%増)→1,478円(4.7%増)
- 総実労働時間:129.8時間(0.5%増)→129.4時間(0.2%増)
一方、きまって支給する給与の伸び(3.9%増)と、所定外労働時間(9.2時間、2.2%増)は、速報と変わりませんでした。きまって支給する給与は、就業規則などであらかじめ決められた条件で支払われる給与で、基本給や家族手当、超過労働手当を含みます。これに特別に支払われた給与を合わせたものが現金給与総額です。所定外労働時間は、早出・残業・休日出勤などで実際に働いた時間です。
実質賃金:どの物価指数で割ったか
実質賃金指数(2020年平均=100)は、現金給与総額の指数を消費者物価指数で割って算出します。厚生労働省は2つの物価指数で割った値を公表しており、速報→確報は次のとおりです。
- 持家の帰属家賃を除く総合で実質化:83.7(1.5%増)→83.8(1.6%増)。この物価指数の前年同月比は2.2%上昇で、速報から変わりません
- 総合で実質化:85.6(1.9%増)→85.7(2.0%増)。この物価指数の前年同月比は2.0%上昇で、速報から変わりません
持家の帰属家賃とは、持家を借家とみなした場合に支払われるであろう家賃のことです。厚生労働省の注記によると、前者は賃金の購買力を示すために、実際に取引されている財・サービスに限った物価指数を使っています。後者は、国際比較のために使っている物価指数です。
人事・労務担当者の見方
自社の賃金水準や賃上げ率を統計と比べるときは、確報が出ていれば確報の値で比べると、速報からの改訂分のずれを避けられます。あわせて、次の3点をそろえます。
- 事業所規模(5人以上か30人以上か)
- 就業形態(就業形態計、一般労働者、パートタイム労働者)
- 実質賃金は、どちらの物価指数で割った値か
次の公表予定は、9月分の速報が11月6日、確報が11月25日です。
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 2026(令和8)年8月分結果確報」「同 結果速報」。詳しくは確報のページで読めます。
