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人事制度

過労死等防止対策白書(令和8年版):週40時間以上の雇用者のうち週60時間以上は7.7%、インターバル制度の導入は6.9%

「令和8年版 過労死等防止対策白書」の主な数字と、11月の過労死等防止啓発月間に国が行う「過重労働解消キャンペーン」の中身を、人事・労務の担当者向けに整理します。

白書と「過労死等」の意味

「過労死等防止対策白書」は、過労死等防止対策推進法に基づき、国が国会に毎年報告する年次報告書です。厚生労働省の発表によると、政府は令和8年10月9日に令和8年版を閣議決定しました。閣議決定と国会への報告は、今回が11回目です。

この白書でいう「過労死等」は、次の3つを指します。

  • 業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
  • 業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
  • 死亡には至らない、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害

白書の主な数字

勤務間インターバル制度とは、終業時刻から次の始業時刻までの間に、一定時間以上の休息時間を設ける仕組みです。

  • 週60時間以上の雇用者の割合:7.7%。総務省「労働力調査」をもとにした白書の整理で、月末1週間の就業時間が40時間以上の雇用者のうち、週60時間以上の人の割合です。令和7年の数字で、令和6年から0.3ポイント減りました。大綱(過労死等の防止のための対策に関する大綱)は、令和10年までに5%以下にする目標を掲げています
  • 勤務間インターバル制度の導入企業:6.9%。厚生労働省「就労条件総合調査」をもとにした白書の整理で、常用労働者30人以上の民営企業のうち、令和7年1月1日時点の導入割合です。前年から1.2ポイント増えました。「制度を知らない」と答えた企業は15.7%で、前年から1.0ポイント増えています。大綱は、令和10年までに導入企業を15%以上、知らない企業を5%未満にする目標を掲げています
  • 年次有給休暇の取得率:66.9%。同じ「就労条件総合調査」で、令和6年の数字です。令和5年より1.6ポイント増え、10年連続の増加でした。大綱は令和10年までに70%以上を目標にしています
  • 労災の支給決定件数。厚生労働省「過労死等の労災補償状況」をもとにした令和7年度の数字(民間雇用労働者、複数業務要因災害を含まない)では、脳・心臓疾患が217件で前年度より24件減り、精神障害が1,082件で前年度より26件増えました

白書の分析から

白書は、週60時間以上働く雇用者の数が減っている一方で、脳・心臓疾患の労災請求件数は増加傾向にあると指摘しています。増加の主な原因は、この病気にかかる割合が高い50歳以上の層の請求が増えたことだと考えられる、としています。

精神障害については、出来事の類型別の労災決定件数で「対人関係」の伸びが最も大きく、なかでも「上司とのトラブル」の伸びが大きいとしています。ただし白書は、これが請求件数の増加の原因かどうかには「なお分析の余地がある」と書いています。

11月は過労死等防止啓発月間

過労死等防止対策推進法に基づき、毎年11月は「過労死等防止啓発月間」です。厚生労働省は、令和8年11月1日から30日まで「過重労働解消キャンペーン」を実施します。主な内容は次のとおりです。

  • 使用者団体や労働組合に対する、厚生労働大臣名での協力要請
  • 都道府県労働局長による、長時間労働の削減に積極的な企業への職場訪問
  • 長時間労働が行われていると考えられる事業場への重点監督
  • 過重労働相談受付集中期間:11月1日(日)から7日(土)まで(1日と3日(火・祝)は除く)
  • 特別労働相談(電話):11月7日
  • 10月から1月までの、企業向け「過重労働解消のためのセミナー」(無料)

相談窓口の時間やセミナーの日程・申込み方法は、リンク先の厚生労働省のページで確かめてください。

重点監督で確認される点

厚生労働省の特設ページによると、重点監督の対象は次のような事業場です。

  • 長時間にわたる過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場
  • 時間外・休日労働が月80時間を超えていると考えられる事業場
  • 相談などから、離職率が極端に高いなどの問題があると考えられる事業場

重点的に確認される事項は、次の4点とされています。

  • 時間外・休日労働が「時間外・休日労働に関する協定届」(いわゆる36協定)の範囲内か
  • 賃金不払残業が行われていないか
  • 労働時間を適正に把握しているか
  • 長時間労働者に、医師による面接指導など、36協定(特別条項)で定めた健康福祉確保措置が講じられているか

法違反が認められれば是正指導を受けます。重大・悪質な場合は送検・公表の対象となります。また、1年間に2回以上、同一条項の違反で是正勧告を受けた場合などは、ハローワークが一定期間、求人を受理しないとされています。

厚生労働省「令和8年版 過労死等防止対策白書」 ↗
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