
2027年卒の採用はどうなっている? 内定率と企業の動き
2027年卒(2027年3月卒業予定)の就職・採用活動は、政府の日程ルールのもとで進んでいます。この記事では、日程ルール、公的な内定率の状況、民間調査の27卒の数字、採用担当者が押さえたい「職場情報の提供」を整理します。
政府の日程ルールは「3月1日・6月1日・10月1日」
政府の資料では、2027年3月卒は「2026年度卒業・修了予定者」と書かれます。年度の数え方に注意してください。関係省庁連絡会議が令和6年12月5日に考え方をまとめ、令和7年3月21日に経済団体等へ発出されました。
2026年度卒業・修了予定者(27卒)の日程ルールは次のとおりです(原則)。
- 広報活動:卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
- 採用選考活動:卒業・修了年度の6月1日以降
- 正式な内定日:卒業・修了年度の10月1日以降
例外として、春休み以降に実施した2週間以上の専門活用型インターンシップを経て高い専門的知識や能力があると判断された学生は、6月より前に採用選考へ進めることとされています。
公的な内定率:27卒はまだ出ていません
厚生労働省・文部科学省が2026年5月22日に公表した「令和8年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」は、26卒の最終の数字です。大学(学部)は98.0%(前年同期比増減なし)、短期大学は97.4%(同0.4ポイント上昇)でした。この発表の指標は「就職率」で、「内定率」ではありません。
27卒の公的な調査は、2026年10月10日の確認時点ではまだ公表されていません。ここから先の27卒の数字は、すべて民間調査です。
民間調査の27卒:対象と時点が違うので、並べて比べません
- マイナビ:「2027年卒 大学生キャリア意向調査8月」(2026年9月14日公表)。調査期間は2026年8月25日〜31日、対象は2027年3月卒業予定の大学生・大学院生、有効回答1,557名。8月末時点の内々定率は85.6%で、前年同月比2.0ポイント減でした。
- キャリタス:「キャリタス就活 学生モニター2027」7月1日時点の確報版(2026年7月15日公表)。調査期間は2026年7月1日〜7日、対象は2027年3月卒業予定の大学4年生(理系は大学院修士課程2年生を含む)、回答1,058人。内定率(内々定を含む)は85.5%で、前年同期の87.3%を1.8ポイント下回りました。
- リクルート:「2027年卒学生 就職内定率調査(2026年6月1日時点)」(ページの表記は2026年9月4日)。調査期間は2026年6月8日〜17日で、「リクナビ」会員のうち2027年卒業予定の大学生・大学院生が対象です。大学生(大学院生を除く)の就職内定率は77.2%(内々定を含む)でした。
正式な内定日は10月1日以降なので、それより前の数字は「内々定」を含むかどうかが調査ごとに書かれています。
企業側の動き
キャリタスの「2027年卒・新卒採用に関する企業調査-中間調査」(2026年7月27日公表、主要企業15,735社に調査、回答1,022社、調査時期は2026年6月29日〜7月8日)では、エントリー数が前年度より「増えた」が35.1%、「減った」が41.2%でした。「待遇や働き方にこだわる学生が増えた」と感じる企業は74.5%です。採用を終了した企業は22.3%で、充足率の平均は54.3%でした。
採用担当者が押さえること:職場情報の提供
学生に向けて新卒を募集する企業には、若者雇用促進法にもとづく「青少年雇用情報」(職場情報)の提供が関わります。条文(第13条)では二段構えです。
- 学校卒業見込者等を条件とした募集を行うときは、青少年雇用情報を提供するよう努めなければならない(努力義務)
- 募集に応じた、または応じようとする学校卒業見込者等から求められたときは、提供しなければならない(提供義務)
ハローワークや職業紹介事業者に新卒求人を出す場合も、第14条で同じ二段構えです。
厚生労働省は、情報を「募集・採用に関する状況」「職業能力の開発・向上に関する取組の実施状況」「企業における職場定着に関する取組の実施状況」の3区分で示しています。ホームページでの公表、会社説明会での提供、求人票への記載などで自主的・積極的に提供することが望ましいとされています。求められてから集め始めるのではなく、あらかじめ整理しておくと対応しやすくなります。
若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)は、社労士試験では「労務管理その他の労働に関する一般常識」の範囲です。この記事の最後で取り上げた職場情報(法律では「青少年雇用情報」)の提供は、この法律の第13条・第14条で定められている決まりで、新卒採用の実務と結びつけて覚えやすい論点です。
