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労働基準法の見直し、議論はどこまで? 連続勤務・勤務間インターバルなど

労働基準法の見直しは、まだ決まったことではありません。この記事では、厚生労働省の研究会が示した論点と、その後の議論の経過を整理します。

出発点は研究会の報告書(2025年1月8日)

厚生労働省は2025年1月8日、「労働基準関係法制研究会」の報告書を公表しました。報告書は、早期に取り組むべき事項と、中長期的に検討を進めるべき事項に分けて方向性を示しています。主な論点は次のとおりです。

  • 連続勤務:2週間以上の連続勤務を防ぐという観点から、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設けるべきと考えられる、としています。あわせて、災害復旧等の真にやむを得ない事情がある場合の例外措置なども検討すべきとしています。
  • 法定休日の特定:あらかじめ法定休日を特定すべきことを法律上に規定することに取り組むべき、としています。
  • 勤務間インターバル:終業から始業までの時間を設定する制度です。報告書は、導入企業割合が2023年1月時点で6.0%にとどまることを挙げ、「義務化を視野に入れつつ、法規制の強化について検討する必要がある」としています。「11時間を確保することを原則とする考え方」は、「例えば」として挙げた案の一つです。
  • つながらない権利:勤務時間外の連絡について、労使の話し合いを促進していくための積極的な方策(ガイドラインの策定等)を検討することが必要、としています。
  • 副業・兼業の割増賃金:労働時間の通算は維持しつつ、割増賃金は通算を要しないようにする制度改正に取り組むことが考えられる、としています。

どれも報告書の中の「考えられる」「検討」といった書きぶりです。法改正が決まったという内容ではありません。

その後の経過

  • 大臣の発言(2025年12月26日):上野厚生労働大臣は会見で、新たに設けられた労働市場改革分科会での議論を踏まえて検討を進めるとしたうえで、「令和8年通常国会での法案提出は、現在のところ考えていません」と述べました。記者から、労働基準法の見直しの議論も含むのかと問われると、審議会での検討は「法案の改正を前提とした検討ではないと承知しています」と答えています。
  • 国会への提出:厚生労働省の国会提出法案の一覧(第221回国会・第222回国会、2026年10月10日に確認)に、題名に「労働基準法」を含む法律案は載っていません。
  • 議論の再開:労働政策審議会の労働条件分科会は、2026年9月16日の第211回で議論を再開しました。資料「今後の議論の進め方(案)」では、2026年7月21日に閣議決定された日本成長戦略などを踏まえ、勤務間インターバル制度、連続勤務規制、「つながらない権利」に加え、裁量労働制と変形労働時間制などを中心に議論する案が示されています。月2〜3回程度の頻度で議論する案も示されています。
  • 大臣の発言(2026年9月18日):労働時間法制の見直しの検討を進めるよう総理から指示があったと説明し、「いつまでに、という具体的なお話があったわけではありません」としたうえで、今後検討のペースを上げていく、と述べています。

論点には、連続勤務のように規制を強める方向のものと、裁量労働制のように対象の在り方を見直す検討のものが並んでいます。どの方向にまとまるかは、まだ分かりません。

人事・労務の担当者、受験生の見方(筆者の考え)

2026年10月10日時点の開催案内では、第212回が10月14日に予定され、議題に「労働基準関係法制について」が入っていました。議論は続いています。

  • 人事・労務の担当者:法改正が決まったわけではないので、筆者は、いまは分科会の資料と議事録を定期的に追っておく段階だと考えます。
  • 受験生:検討中の話は、すでに施行された内容とは分けて、「議論の経過」として押さえておくとよいでしょう。

最新の状況は、厚生労働省の労働政策審議会のページで確認できます。

出典

  • 厚生労働省「『労働基準関係法制研究会』の報告書を公表します」(2025年1月8日)
  • 厚生労働省 上野大臣会見概要(2025年12月26日、2026年9月18日)
  • 厚生労働省 第211回労働政策審議会労働条件分科会 資料No.2-1(2026年9月16日)
  • 厚生労働省 労働政策審議会(労働条件分科会)開催一覧、国会提出法案(2026年10月10日確認)
試験との関係

この記事で取り上げた見直しは、まだ議論の段階です。社労士試験では、解答に当たり適用すべき法令等は、その年の受験案内で示される日(第58回は令和8年4月10日)に施行されているものとされています。まずは現行の労働基準法の休日(第35条)と時間外・休日労働(第36条)を押さえ、そのうえで見直しの動きを追うと整理しやすくなります。

厚生労働省「労働基準関係法制研究会の報告書を公表します」 ↗
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