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人事制度

人事の仕事とは何か:採用・労務・育成・制度の4つの柱

人事の仕事は、採用から退職までの従業員に関わる事務の全体です。この記事では、仕事の中身を「採用・労務・育成・制度」の4つに分けて、法令の条文がどの場面に出てくるかを見ていきます。人事の仕事に就きたい社労士試験の受験生向けです。

国の資料は人事の仕事をどう説明しているか

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)の「人事事務」では、仕事を「採用から退職までの従業員の人事管理に関わる事務」と説明しています。採用、配置、異動、昇進、退職の手続きに加えて、勤務状況の管理、給与の算出、社会保険などの福利厚生の事務までが同じ職業に含まれています。

なお、「4つの柱」という分け方は job tag の言葉ではありません。job tag に並ぶ仕事を、この記事で読みやすいように整理したものです。

  • 採用:求人、応募者の選考、面接、入社したときの会社の説明
  • 労務:勤怠管理、給与や賞与の算出、社会保険の事務、労務のコンプライアンスの確認
  • 育成:教育訓練や能力開発の事務、従業員の査定
  • 制度:労働条件や賃金体系の企画立案、人件費の予算の策定

条文が出てくる場面

### 採用:労働条件の明示

労働基準法第15条は、使用者が労働契約を結ぶときに、賃金や労働時間などの労働条件を労働者に明示するよう定めています。賃金と労働時間などの事項は、厚生労働省令で定める方法で明示します。明示された条件が事実と違えば、労働者は直ちに労働契約を解除できます(同条第2項)。採用の現場では、この条文が実務に直結します。

### 労務:入社時の社会保険の届出

人を雇い入れると、事業主は届出をします。条文に期限は書かれておらず、期限は根拠ごとに別々です。

  • 健康保険・厚生年金保険の資格取得届:日本年金機構の案内では、事実発生から5日以内
  • 雇用保険の資格取得届:厚生労働省の手続き一覧表では、被保険者となった日の属する月の翌月10日まで

法律は「厚生労働省令で定めるところにより」届け出ると定めているだけです(健康保険法第48条、厚生年金保険法第27条、雇用保険法第7条)。期限は、省令や公的な案内で確かめます。

### 制度:就業規則

労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に、就業規則を作成して行政官庁に届け出ることを義務づけています。変更したときも同じです。始業・終業の時刻、賃金の決め方、退職に関する事項などを記載します。賃金体系や休暇のルールを企画する「制度」の仕事は、この条文とつながっています。

社労士の業務と、会社の人事担当者の仕事は別のもの

社会保険労務士法第2条は、社会保険労務士が業として行う事務を定めています。主なものは、労働・社会保険の法令に基づく申請書等の作成、提出手続の代行、事務代理、帳簿書類の作成、労務管理や社会保険の相談・指導です。

一方、人事担当者は会社の従業員として、自社の採用や給与、社会保険の手続きを担当します。届出の義務を負うのは事業主で、担当者はその実務を担う立場です。社労士は資格に基づく職業で、人事担当者は会社の中の職種です。2つは別のものです。

社労士試験の知識はどこで使われるか

job tag の「就業するには?」には、入職に特に学歴や資格は必要とされないと書かれています。そのうえで、労働法や人事労務管理の知識があれば有利な場合もあるとし、関連資格の1つに「社会保険労務士」を挙げています。

資格がなければ就けない仕事でも、資格があれば就ける仕事でもありません。ただ、上で見た条文は、どれも人事の実務の場面に出てきます。条文を読み、期限や手続きの根拠を自分で確かめる力は、仕事の中でも使えます。

求人の出し方や面接の進め方など、法令以外の実務も人事の仕事の大きな部分です。まずは job tag の「人事事務」を読んで、自分が気になる柱を見つけてみてください。

試験との関係

この記事の人事の場面に出てくる条文は、試験の科目でいうと、労働条件の明示(労働基準法第15条)と就業規則(同第89条)が労働基準法、入社時の資格取得の届出が健康保険法(第48条)・厚生年金保険法(第27条)・雇用保険法(第7条)です。人事の仕事の場面と科目を結びつけておくと、条文を覚えるときの手がかりになります。

厚生労働省 job tag「人事事務」 ↗
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