
有効求人倍率は1.18倍で前月と同水準、失業率は2.5%(2026年8月分)
2026年8月の有効求人倍率は1.18倍で、前月と同水準でした。完全失業率は2.5%で、前月より0.1ポイント上昇しています。人事・採用の現場で気になる数字を、前月との比較つきでまとめます。
厚生労働省『一般職業紹介状況(令和8年8月分)』と、総務省統計局『労働力調査(基本集計)2026年8月分』(どちらも2026年10月2日公表)によります。本文の数字は、特に断りがなければ季節調整値(季節による変動をならした値)です。
有効求人倍率は1.18倍、前月と同水準
有効求人倍率(ハローワークの月間有効求人数を月間有効求職者数で割った値。仕事を探している人1人あたりの求人の数)は1.18倍でした。前月と同水準で、前年同月(2025年8月)は1.21倍でした。
- 新規求人倍率(その月の新規求人数を新規求職申込件数で割った値):2.06倍。前月より0.04ポイント低下
- 正社員有効求人倍率:1.00倍。前月と同水準
- 有効求人は前月比0.7%増、有効求職者も前月比0.7%増で、倍率は前月と変わりませんでした
正社員有効求人倍率について、厚生労働省は「パートタイムを除く常用の月間有効求職者には派遣労働者や契約社員を希望する者も含まれるため、厳密な意味での正社員有効求人倍率より低い値となる」と注記しています。1.00倍という数字は、そのことを踏まえて見る必要があります。
完全失業率は2.5%、前月より0.1ポイント上昇
総務省の労働力調査では、完全失業率(完全失業者が労働力人口に占める割合)は2.5%でした。前月に比べて0.1ポイントの上昇です。男性は2.8%、女性は2.3%でした。
ここで、見かけの食い違いに注意が必要です。季節調整をしていない原数値の完全失業者数は180万人で、前年同月より2万人減っています。失業率は「前月比」の季節調整値、失業者数は「前年同月比」の原数値で、比べている相手が違います。
原数値で見ると:新規求人は前年同月比3.4%減
ここからは原数値(季節調整をしていない、そのままの数字)です。有効求人倍率の原数値は1.16倍で、前年同月より0.02ポイント低い水準でした。季節調整値の1.18倍とは別の数字なので、取り違えないようにしてください。
新規求人(原数値)は前年同月より3.4%減でした。産業別にみると、次のような動きでした。
- 増加:製造業(3.9%増)、情報通信業(3.3%増)、サービス業(他に分類されないもの)(0.9%増)
- 減少:宿泊業,飲食サービス業(11.1%減)、卸売業,小売業(10.2%減)、生活関連サービス業,娯楽業(5.7%減)
職業別では差が大きい
厚生労働省の職業別の統計表(常用・パート含む、原数値)で、2026年8月の有効求人倍率を見ると、職業計は1.06倍でした。上の1.18倍とは、季節調整の有無などベースが違う数字です。
- 建設躯体工事従事者:8.25倍
- 介護サービス職業従事者:3.89倍
- 自動車運転従事者:2.54倍
- 一般事務従事者:0.29倍
採用を担当している方は、自社が募集する職種の倍率が全体の平均とは大きく違う場合があることを、頭に置いておくとよいでしょう。
今月の一言
有効求人倍率は前月と同水準、完全失業率はわずかに上昇、という動きでした。数字から読み取れるのはここまでです。見るときの目安は3つです。
- 季節調整値か原数値か
- 前月と比べているのか、前年同月と比べているのか
- 厚生労働省の統計か、総務省の統計か(厚生労働省はハローワークの求人・求職、総務省は世帯への調査で、調べ方が違います)
詳しくは、厚生労働省の公表ページをご覧ください。
有効求人倍率と完全失業率は、社労士試験では「労務管理その他の労働に関する一般常識」の労働経済で扱う統計です。有効求人倍率は厚生労働省「一般職業紹介状況」、完全失業率は総務省「労働力調査」と、出している調査が違います。数字とあわせて、どの調査の、どういう定義の数字かを押さえておくと整理しやすくなります。
